炎環について
俳句結社「炎環」――
【主宰】石 寒太
【師系】加藤 楸邨
【創立】1988(昭和63)年1月、石 寒太が東京にて創立
【俳誌】月刊「炎環」毎月1日発行
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炎環は、主宰の提唱する「自分の生きる証としての俳句」をめざし、心と言葉をひとつに、今一番言いたいことを自分の言葉で表現する「心語一如」を志す俳句集団です。 炎環の名は「小さな火が束となって環をなし、その炎が天を駆け、燎原を焼き尽くす大きな力となる」の意味です。
炎環は、古い結社意識に縛られず、楽しく自由でありつつも、老若男女が切磋琢磨し、学び合う俳句広場です。 全国30句会、約500人の会員がいます。
月刊誌「炎環」は、2022(令和4)年2月号で、通巻(前身の「無門」から)500号を迎えました。 炎環会員の活躍は、新聞、俳句総合誌、公募俳句大会などでの入賞著しく、「角川俳句賞」「北斗賞」など最高峰の賞を受賞しています。
炎環の歴史
- 1980(昭和55)年 「寒雷」を中心として「海程」「沖」「杉」「鷹」「狩」「草苑」「万緑」「雲母」「陸」などの若手を中心にした同人誌「無門」創刊。石 寒太が幹事役。
- 1988(昭和63)年 「無門」を改め、加藤 楸邨を師系とした結社誌「炎環」として、新装創刊。
- 1996(平成8)年 炎環新人賞・炎環エッセイ賞を創設。
- 1997(平成9)年 炎環賞・炎環評論賞を創設。
同年、合同句集「炎環新鋭叢書」の第1巻『青炎』を刊行。 - 1998(平成10)年 1月「十周年記念大会」を中野サンプラザにて開催。東西対抗公開俳句会を冨士 眞奈美、吉行 和子、大石 雄鬼、大高 翔、こしの ゆみこ等をゲストに迎えて実施。観客席には小沢 昭一の姿も。
- 2001(平成13)年 炎環ホームページを立ち上げる。
- 2003(平成15)年 1月「15周年記念大会」を中野サンプラザにて開催。
同年、15周年記念企画として歳時記『炎環新季語選』を発行。 - 2006(平成18)年 齋藤 朝比古「懸垂」が第21回俳句研究賞を受賞。
- 2008(平成20)年 1月号を400ページに及ぶ「炎環 20周年記念号」として発行。特集「終結『第二芸術』論」、江成 常夫と石 寒太の対談「命の重さを語る」のほか、3本の座談会を一挙掲載。
1月「20周年記念大会」を京王プラザホテルにて開催。宇多 喜代子が「第二芸術論余話」と題して講演。
同年、20周年記念企画として『ケータイ歳時記』を発行。 - 2012(平成24)年 柏柳 明子「銀河系」が第30回現代俳句新人賞を受賞。
- 2013(平成25)年 1月「創刊25周年記念祝賀会」をグランドプリンスホテル高輪にて開催。記念行事として、「東日本大震災は短詩型を変えたか――俳句と短歌の詩型について考える」をテーマに、長谷川 櫂・高野 ムツオ・小澤 實・三枝 昂之を迎えて座談会を実施。加えて、金子 兜太が「いのちの俳句」をテーマに講演。
同年、近 恵「ためらい」が第31回現代俳句新人賞を受賞。 - 2015(平成27)年 山岸 由佳「仮想空間」が第33回現代俳句新人賞を受賞。
- 2016(平成28)年 6月「第1回炎環全国大会」を愛媛県松山市にて開催。
- 2017(平成29)年 宮本 佳世乃「ぽつねんと」が第35回現代俳句新人賞を受賞。
同年、石 寒太第7句集『風韻』を「炎環叢書」の第1巻として刊行。 - 2018(平成30)年 1月「創立三十周年記念大会・祝賀会」を京王プラザホテルにて開催。祝賀会には30周年に因んで俳壇・出版界などから30名の来賓を招待。
同年、30周年記念出版として『寒太俳句を読む』を刊行。 - 2020(令和2)年 西川 火尖「公開鍵」が第11回北斗賞を受賞。
- 2021(令和3)年 岡田 由季「優しき腹」が第67回角川俳句賞を受賞。
- 2022(令和4)年 2月、通巻第500号を発行。
(文中敬称略)
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あらゆる年齢、さまざまな職業の人が隔てなく集い、社会・経済・文化などと交響しながら、俳句でしか詠えないこと、「今」という「ときめき」を17音にこめて表現する。もっとも新しく、活動する俳句集団として注目されている。