巻頭句 巻頭とは?
2021年6月
巻頭句
奥平 黎[神奈川]
- ❖ フクシマの余震十年雪やなぎ
- 春の田や咥へ煙草の爺ひとり
- ❖ 鴉二羽櫓の上の日永かな
- 桜蘂ふる引つ越しの四噸車
- 老後とは我の今なり亀鳴けり
次巻頭
西脇 あす香[神奈川]
- 注射器の針先光り春の昼
- ❖ 道場の格子戸夜の桜かな
- 祝福の短きメール桜の夜
- 桜蘂降る水門の開閉機
- ❖ 三人の恋の行方や初燕
三席
森山 洋之助[埼玉]
- ❖ 春愁を軽く羽織りて散髪へ
- 初蝶の号外配る如き舞
- 遠富士を借景にして汐干狩
- ❖ 教室に「未来」の大書卒業期
- 野蒜摘む酒の肴のひとくさり
❖印=石 寒太主宰特選
巻頭とは?
炎環の俳句作家は、同人と一般会員に分かれます。一般会員は毎月5句を投句しますが、石寒太主宰はそれらのすべてに目を通し、必要に応じて添削もします。そのうえで主宰は、5句全体に対し、秀逸と認めた順に作品を並べ、その順に従って「炎環」誌に掲載します。
このページでは、その1位の作品を「巻頭」、2位を「次巻頭」、3位を「三席」と呼んで、それぞれの作品を紹介します。(同人についてはこちら)