巻頭句 巻頭とは?
2021年8月
巻頭句
長谷川 のり子[静岡]
- ❖ 野球部の均すグランド青嵐
- ❖ 知事選のポスターふたり男梅雨
- 人気なき隣家や梅雨の月赤し
- 丁字路に潜むパトカー梅雨ぐもり
- 鳶・鴉修羅場の浜辺夏深し
次巻頭
安田 勝彦[東京]
- ❖ 白泉のそこに戦争紅蜀葵
- ❖ 白薔薇や九十歳のマルキスト
- 廃線の撤去工事や梅雨晴間
- 小さき手の南無阿弥陀仏さくらんぼ
- 孔子廟の裏は明神青蛙
三席
星野 いのり[茨城]
- ピザ窯のチーズ沸き立つ麦酒かな
- ビードロの光を鳴らす底うすし
- ❖ 側溝に小銭転がり夏日かな
- ❖ 眠りつくまで冷房の静まらず
- 屋上の扉の開かず雲の峰
❖印=石 寒太主宰特選
巻頭とは?
炎環の俳句作家は、同人と一般会員に分かれます。一般会員は毎月5句を投句しますが、石寒太主宰はそれらのすべてに目を通し、必要に応じて添削もします。そのうえで主宰は、5句全体に対し、秀逸と認めた順に作品を並べ、その順に従って「炎環」誌に掲載します。
このページでは、その1位の作品を「巻頭」、2位を「次巻頭」、3位を「三席」と呼んで、それぞれの作品を紹介します。(同人についてはこちら)