巻頭句 巻頭とは?
2021年10月
巻頭句
山田 清明[東京]
- 富士登山日英中のガイド音
- ❖ 雲海の中から赤きブルドーザー
- 雲海の真ん中にゐる生きてゐる
- ❖ 富士山の御胎内よ夏惜しむ
- 六合目小径の脇や岩桔梗
次巻頭
元川 よしひろ[埼玉]
- 空堀の墓域つらぬく大暑かな
- ❖ 炎天下島原一揆供養塔
- 山門の仁王の眼青蜥蜴
- ❖ 鏡への朝の挨拶金魚草
- 点滅のパソコン烏瓜の花
三席
小関 由佳[神奈川]
- ❖ 西新宿接種会場出て溽暑
- ❖ 粘りつく風の重さや終戦忌
- 新しき電動自転車青嵐
- 歩道橋渉るひとりの涼しさよ
- 祭典の終はり夏蝶低く舞ふ
❖印=石 寒太主宰特選
巻頭とは?
炎環の俳句作家は、同人と一般会員に分かれます。一般会員は毎月5句を投句しますが、石寒太主宰はそれらのすべてに目を通し、必要に応じて添削もします。そのうえで主宰は、5句全体に対し、秀逸と認めた順に作品を並べ、その順に従って「炎環」誌に掲載します。
このページでは、その1位の作品を「巻頭」、2位を「次巻頭」、3位を「三席」と呼んで、それぞれの作品を紹介します。(同人についてはこちら)