巻頭句 巻頭とは?
2021年12月
巻頭句
永井 朝女[神奈川]
- ❖ 流れ星佐渡に眠れる船箪笥
- 良寛の「いろは」二文字や糸薄
- 浮世絵の女の唇くちや茨の実
- 魯山人の「柚味噌」刻字秋深し
- ❖ 筆ペンの掠るる先や流れ星
次巻頭
長谷川 のり子[静岡]
- だれからの音沙汰のなし金木犀
- 尋ね人放送こだま菊日和
- ❖ 桔梗や良きことのまたあるかしら
- 草原のひかりはじけし秋の声
- ❖ 秋夕焼こころの重り加へばや
三席
M コスモ[東京]
- ❖ ぶだうはむ沖の船追ふ凸レンズ
- 断面のオクラ脳内マップ描く
- ❖ 上り月タップダンスの靴熱し
- 火薬庫の匂ひの画布や鰯雲
- 足跡の加速度つきて秋の浜
❖印=石 寒太主宰特選
巻頭とは?
炎環の俳句作家は、同人と一般会員に分かれます。一般会員は毎月5句を投句しますが、石寒太主宰はそれらのすべてに目を通し、必要に応じて添削もします。そのうえで主宰は、5句全体に対し、秀逸と認めた順に作品を並べ、その順に従って「炎環」誌に掲載します。
このページでは、その1位の作品を「巻頭」、2位を「次巻頭」、3位を「三席」と呼んで、それぞれの作品を紹介します。(同人についてはこちら)