巻頭句 巻頭とは?
2022年1月
巻頭句
小笠原 黒兎[東京]
- アパートの残るひと部屋花八手
- ❖ ぱつとせぬ虫の来てをり花八手
- 山茶花やいくらでも咲く咲けばよい
- 鬼のまま置いてゆかれし冬茜
- ❖ 入口の見つからぬビル黄落期
次巻頭
内田 百子[東京]
- ❖ 投票所への近道むらさき式部の実
- 白猫のしはがれ声や秋惜しむ
- 地境の南天伐られ秋の風
- ラジコンカーの縦横無尽秋の浜
- ❖ ショッピングカートへ釣瓶落しかな
三席
古指 秀一[群馬]
- ❖ 龍淵に潜む原発十七基
- 恙無き築八年の柿便り
- 肯んずるをんな杜氏の新走り
- ❖ 紅葉且つ散るや龍馬の峠の碑
- 喪のごとく菊の門出の木遣り歌
❖印=石 寒太主宰特選
巻頭とは?
炎環の俳句作家は、同人と一般会員に分かれます。一般会員は毎月5句を投句しますが、石寒太主宰はそれらのすべてに目を通し、必要に応じて添削もします。そのうえで主宰は、5句全体に対し、秀逸と認めた順に作品を並べ、その順に従って「炎環」誌に掲載します。
このページでは、その1位の作品を「巻頭」、2位を「次巻頭」、3位を「三席」と呼んで、それぞれの作品を紹介します。(同人についてはこちら)