巻頭句 巻頭とは?
2022年4月
巻頭句
柴山 尚子[東京]
- ❖ 悴みて途切れ途切れのモーツァルト
- 千切り絵の輪郭ふるへ春隣
- ❖ セーターの空気と遊ぶ押し洗ひ
- 石垣の窪み緩やか冬雀
- 老梅やしづかに人の群れ集ふ
次巻頭
小関 由佳[神奈川]
- 自転車の次男三男春隣
- ❖ 家も名も忘れし父や春の川
- 如月や歯科治療室にひとり
- 朧の夜スクールガールの渋谷駅
- ❖ 真実と事実のあはひ春の雷
三席
早川 洋子[東京]
- ❖ 大寒や丸の字多き舟溜り
- ❖ 反り返る鉄条網よぼたんの芽
- 解体の木組みあらはや春の雨
- 使はれぬままの太筆すみれ草
- 霊園の発電パネル春きざし
❖印=石 寒太主宰特選
巻頭とは?
炎環の俳句作家は、同人と一般会員に分かれます。一般会員は毎月5句を投句しますが、石寒太主宰はそれらのすべてに目を通し、必要に応じて添削もします。そのうえで主宰は、5句全体に対し、秀逸と認めた順に作品を並べ、その順に従って「炎環」誌に掲載します。
このページでは、その1位の作品を「巻頭」、2位を「次巻頭」、3位を「三席」と呼んで、それぞれの作品を紹介します。(同人についてはこちら)