巻頭句 巻頭とは?
2022年5月
巻頭句
青山 木里[神奈川]
- ❖ 陽炎や送電塔の鉄梯子
- ももちどり鉄の骸のトラクター
- 入口の裸電球廐出し
- 踵返す牧舎の娘とほがすみ
- ❖ 北へ向く家畜輸送車梅月夜
次巻頭
小笠原 黒兎[東京]
- ❖ もう一度生まれておいで桃の花
- ❖ かさかさかさ掃かれし骨よ春の天
- ふらここの揺れ戻りたきところまで
- 谷戸鳴らし風の抜けたり実朝忌
- さへづりの木の膨らめる電車道
三席
内田 百子[東京]
- 踏切の向かういちめん春の波
- ❖ 「黙食」の卓の貼り紙春ショール
- 春の闇関取の香とすれ違ふ
- 春落葉バス停の椅子撤去さる
- ❖ ひとすぢの河馬の泪や春の昼
❖印=石 寒太主宰特選
巻頭とは?
炎環の俳句作家は、同人と一般会員に分かれます。一般会員は毎月5句を投句しますが、石寒太主宰はそれらのすべてに目を通し、必要に応じて添削もします。そのうえで主宰は、5句全体に対し、秀逸と認めた順に作品を並べ、その順に従って「炎環」誌に掲載します。
このページでは、その1位の作品を「巻頭」、2位を「次巻頭」、3位を「三席」と呼んで、それぞれの作品を紹介します。(同人についてはこちら)