巻頭句 巻頭とは?
2022年9月
巻頭句
石井 天子[東京]
- ❖ 梅雨じめり土産二本のサフラン酒
- 朝を待てるあまたの蕾池の蓮
- 人工衛星の光りゆつくり星涼し
- ❖ ポップコーンのひとつ弾けし雲の峰
- 手際良き歯科医朗らか夏つばめ
次巻頭
副田 氷見子[福岡]
- ❖ 花蜜柑あなたのここにゐてほしき
- 風青し師の句のいつも傍らに
- ❖ ジョバンニとカムパネルラと夏の蝶
- カレンダー予定の未定夏の空
- ページ繰る濡れたままなる洗ひ髪
三席
鈴木 正芳[新潟]
- ❖ 睡蓮や母を施設に入るる朝
- ❖ 鬼瓦のわづかに笑みし驟雨かな
- カレンダー裏のお絵描きソーダ水
- 通り雨君の鎖骨の記憶かな
- ペットひとつ忌日ありけり遠花火
❖印=石 寒太主宰特選
巻頭とは?
炎環の俳句作家は、同人と一般会員に分かれます。一般会員は毎月5句を投句しますが、石寒太主宰はそれらのすべてに目を通し、必要に応じて添削もします。そのうえで主宰は、5句全体に対し、秀逸と認めた順に作品を並べ、その順に従って「炎環」誌に掲載します。
このページでは、その1位の作品を「巻頭」、2位を「次巻頭」、3位を「三席」と呼んで、それぞれの作品を紹介します。(同人についてはこちら)