巻頭句 巻頭とは?
2023年4月
巻頭句
平井 葵[東京]
- あをあをの孤島のごとし冬菜畑
- 豆腐屋の巨きな庖丁寒土用
- 糟糠の妻にはなれぬ寒の餅
- ❖ 風花や胸の扉少し開けておく
- ❖ 伎楽面の耳たぶ豊か寒の明け
次巻頭
永田 吉文[東京]
- ❖ チェーンソーの音の逞し冬青空
- ❖ 雪の夜やテトラポットの尖りをり
- 包丁の冬の光りや才呼べり
- 水道の氷りし朝意志決す
- 鴨の群れ一羽離るる詩人顔
三席
河内 協子[東京]
- ❖ 風の意に少し逆らふ浮寝鳥
- 「外郎売」舌のもつるる余寒かな
- セルフレジに急かされてをり如月菜
- ❖ 消音の戦況ニュース木の芽和
- 花辛夷夢はあるかと問はれけり
❖印=石 寒太主宰特選
巻頭とは?
炎環の俳句作家は、同人と一般会員に分かれます。一般会員は毎月5句を投句しますが、石寒太主宰はそれらのすべてに目を通し、必要に応じて添削もします。そのうえで主宰は、5句全体に対し、秀逸と認めた順に作品を並べ、その順に従って「炎環」誌に掲載します。
このページでは、その1位の作品を「巻頭」、2位を「次巻頭」、3位を「三席」と呼んで、それぞれの作品を紹介します。(同人についてはこちら)