巻頭句 巻頭とは?
2023年6月
巻頭句
鮫島 沙女[東京]
- 大股の「寒太」の揮毫春の風
- 桜ふる短調ピアノ即興曲
- かはたれや洋傘の来る花の雨
- ❖ 葉桜やリビング・ウィルの書き直し
- ❖ 音楽は死せず流れむ花筏
次巻頭
小野 雅子[静岡]
- 春コート裾ひるがへし巣立ちゆく
- 十遍の南無阿弥陀仏木の芽風
- ❖ 一山の光集めしやまざくら
- ❖ 榛の花に榛の空あり風の音
- 過去帳の日にちの何れ花は葉に
三席
小野 久雄[神奈川]
- 一族に福耳をらず犬ふぐり
- ❖ 黄沙ふる中古車センター夜明け前
- ❖ 老いらくのふらここ天へとどくべし
- 春キャベツ寝ぐせの男急ぎ来し
- タンポポの絮とぶ方へ歩き出す
❖印=石 寒太主宰特選
巻頭とは?
炎環の俳句作家は、同人と一般会員に分かれます。一般会員は毎月5句を投句しますが、石寒太主宰はそれらのすべてに目を通し、必要に応じて添削もします。そのうえで主宰は、5句全体に対し、秀逸と認めた順に作品を並べ、その順に従って「炎環」誌に掲載します。
このページでは、その1位の作品を「巻頭」、2位を「次巻頭」、3位を「三席」と呼んで、それぞれの作品を紹介します。(同人についてはこちら)