巻頭句 巻頭とは?
2023年8月
巻頭句
大和田 響子[山梨]
- ❖ 名の知らぬ一樹に恋す五月かな
- 鎌はふり緑蔭に読む「山月記」
- 母の日の二十四色チョコレート
- 吾が膝を猫とわけあふ緑雨かな
- ❖ 先生の「自分に集中」梅雨の蝶
次巻頭
千住 祈理[茨城]
- 香水の名前知りたし片想
- ❖ 送信を躊躇ふ指や蜘蛛の糸
- 梅雨豪雨笑ふあなたの汗のしみ
- ❖ 夏柑の苦み指輪をしない人
- サイダーの泡マドラーに追ひ縋る
三席
小野 雅子[静岡]
- 夏燕屋根のいただき三角形
- ❖ 泰山木の花のほとりの喫茶店
- ❖ 一本松バス停に待つ夏帽子
- 「ありがとう」「さよなら」母の百合咲けり
- 抱き上ぐる吾子の重みやゆすらうめ
❖印=石 寒太主宰特選
巻頭とは?
炎環の俳句作家は、同人と一般会員に分かれます。一般会員は毎月5句を投句しますが、石寒太主宰はそれらのすべてに目を通し、必要に応じて添削もします。そのうえで主宰は、5句全体に対し、秀逸と認めた順に作品を並べ、その順に従って「炎環」誌に掲載します。
このページでは、その1位の作品を「巻頭」、2位を「次巻頭」、3位を「三席」と呼んで、それぞれの作品を紹介します。(同人についてはこちら)