巻頭句 巻頭とは?
2024年1月
巻頭句
大和田 響子[山梨]
- 図鑑より五角の押し葉秋の星
- 占拠されし電柱一本蔦紅葉
- ❖ 駅前の今朝より金木犀の国
- ❖ 豊の秋行間ひろき句集かな
- ロボットの深きお辞儀や照紅葉
次巻頭
平井 葵[東京]
- 息かけて眼鏡拭きをり小鳥来る
- 末枯れや森の煉瓦のカフェテラス
- ❖ 良寛の尼僧への文つはの花
- ❖ 枯蟷螂途方に暮れてゐる私
- 路地奥につづく路地あり枇杷の花
三席
谷村 康志[埼玉]
- 手相見にすがる娼婦や虎落笛
- 狩人の見せ合ふ家族写真かな
- ❖ 職決まるまでの仮寓よ膝毛布
- 寒禽やかつて炎の比叡山
- ❖ 死後のこと長き年譜や室の花
❖印=石 寒太主宰特選
巻頭とは?
炎環の俳句作家は、同人と一般会員に分かれます。一般会員は毎月5句を投句しますが、石寒太主宰はそれらのすべてに目を通し、必要に応じて添削もします。そのうえで主宰は、5句全体に対し、秀逸と認めた順に作品を並べ、その順に従って「炎環」誌に掲載します。
このページでは、その1位の作品を「巻頭」、2位を「次巻頭」、3位を「三席」と呼んで、それぞれの作品を紹介します。(同人についてはこちら)