巻頭句 巻頭とは?
2024年4月
巻頭句
山田 清明[東京]
- ❖ 父逝きし朝の青空凍雲よ
- 葬儀場の窓より冬の夕焼かな
- 夜の冬弔辞推敲重ねけり
- ❖ すれ違ふ人の父似よ冬の朝
- 火葬場の奥のしんしん冬の雨
次巻頭
上原 流離[福岡]
- 紅梅や二つ名のある李香蘭
- ❖ 紅梅のふりかざす空おそろしや
- 立春やひよいと跳びこす水たまり
- ❖ 国境の切り取り線よ枯蓮
- 大寒の篆書のなかをくぐりゆく
三席
山﨑 猿屋[東京]
- ❖ 病院の待合室や雪催
- ❖ 昼食の地下のカレー屋出づれば雪
- 初雪や家族L I N E の三件目
- 薬局のサトちやん人形雪まみれ
- 豪快に転ぶ柴犬根雪かな
❖印=石 寒太主宰特選
巻頭とは?
炎環の俳句作家は、同人と一般会員に分かれます。一般会員は毎月5句を投句しますが、石寒太主宰はそれらのすべてに目を通し、必要に応じて添削もします。そのうえで主宰は、5句全体に対し、秀逸と認めた順に作品を並べ、その順に従って「炎環」誌に掲載します。
このページでは、その1位の作品を「巻頭」、2位を「次巻頭」、3位を「三席」と呼んで、それぞれの作品を紹介します。(同人についてはこちら)