巻頭句 巻頭とは?
2025年2月
巻頭句
井口 蜃[千葉]
- ちさき蛾の勾玉紋よ朝寒し
- 小綺麗に物を乞ふひと酉の市
- ❖ 団栗の魚雷のまろみ日向ぼこ
- 高層クレーンてつぺん椋の集ひあり
- ❖ こめかみに日を受けてをり小春風
次巻頭
平井 葵[東京]
- ❖ 林檎赤し未だにちちを恋うてをり
- ❖ 珈琲のミルクの渦や漱石忌
- クリスマスチェス盤に駒眠りをり
- 向き合ひてははと窓拭く十二月
- 年末やメモひとつ消し一つ足し
三席
百瀬 一兎[千葉]
- はつふゆや肺胞さびさびと震ふ
- ❖ 制服の変はりし母校冬ひばり
- 脱衣所の服に霙の匂ひかな
- ❖ 暖房を早めにつけるほどの愛
- オルガンのいちばん右を叩き冬
❖印=石 寒太主宰特選
巻頭とは?
炎環の俳句作家は、同人と一般会員に分かれます。一般会員は毎月5句を投句しますが、石寒太主宰はそれらのすべてに目を通し、必要に応じて添削もします。そのうえで主宰は、5句全体に対し、秀逸と認めた順に作品を並べ、その順に従って「炎環」誌に掲載します。
このページでは、その1位の作品を「巻頭」、2位を「次巻頭」、3位を「三席」と呼んで、それぞれの作品を紹介します。(同人についてはこちら)