ピックアップ同人句 同人とは?
2020年9月
水の星
山崎 彩
- 楸邨の青き山河よ猫の眼よ
- 蔵町の梲の影よ燕の子
- ひそと住む傘寿のひとり昼顔よ
- 夕焼雲ビルの輪郭ゆるびけり
- まりもまりも夏の果なるふたり旅
インクルージョン(百四十)
伊与田 すみ
- 水無月へ離れて並ぶ免許返納
- 過ぎし日の間違ひ探し半夏生
- 導かるるズームのアプリ梅雨晴間
- バジルの葉ごろくまい採り卵焼き
- ごきげんよう章子さんから長電話
鷺草
川島 茅酔郎
- 楸邨の一句過りし夾竹桃
- 鷺草のみな飛翔せり九品仏
- 甚平に包む笑顔や誕生日
- 銀嶺の名に魅せられし冷やし酒
- メイドインジャパンの扇子匂ひけり
無観客
佐村 晶
- 穴出でし蟬に大雨注意報
- 検温に始まるひと日ほととぎす
- 無観客の野球中継梅雨の月
- 促され促されをり鴉の子
- 掃き寄せしものに紛れて落とし文
青葉闇
永野 宙
- 大会の相次ぐ延期青葉闇
- あの世ともこの世ともなく昼寝覚
- がうがうと水吸ひ上げて那智の滝
- 滝風や猿の掠めし串団子
- 空蟬の引田天功凌ぎけり
エル・スール9
山岡 芳遊
- 水馬の波紋に雲の崩れをり
- 図書館の長椅子の× 額の花
- 峰雲や三代続く富士額
- 夏草に埋もれし館for sale
- おしやべりは母の遺伝子立葵
同人とは?
炎環の同人は、一般会員の中から、石寒太主宰がその実力を認めて推挙した作家たちです。同人になるとは作家として独り立ちすることを意味し、したがって同人の作品は、主宰の選(順位づけ)や添削の対象から外れます。同人は、自らの力だけを頼みに毎月5句を発表しています。
このページでは、同人の中から6人ずつを順繰りにピックアップし、その当月発表した作品を紹介します。(一般会員についてはこちら)