ピックアップ同人句 同人とは?
2022年2月
歩幅
折島 光江
- 花鋏器用に動き小春かな
- 小春日や肩書のなき名刺受く
- 木枯しや我の歩幅で歩く夫
- 米研げばスローなリズム神無月
- 口笛に振り向いてをり冬木立
インクルージョン(百五十七)
伊与田 すみ
- 酉の市眼底検査先送り
- 苅安の野より木枯らし低めなり
- 湯気のたつ腹ぺこダンサーバウシュ君
- 鉄骨に隠れてしまふ雪の富士
- 寒鴉撤退までのいちもくさん
日めくり
原 紀子
- へろへろになりし日めくり十二月
- 七味買ふ目黒不動の三の酉
- 柊の花やとけざるわだかまり
- 冬の鳥赤き実へ声こぼしゆく
- 綿虫や日暮近づく勝手口
冬に入る
福山 みかん
- 真向ひの家の解体冬に入る
- 藪柑子一つひとつに日のぬくみ
- グラタンの焦げたる匂ひ冬めけり
- 寂聴の法話あかるし片時雨
- 小春風夢の中なる五能線
冬紅葉
香西 さらら
- 止まるたび鳥の止まるや冬ぬくし
- 鳥よけは排水ネット実千両
- 冬紅葉空のベンチのかたぶきぬ
- 熱帯びる革手袋よ246
- 流星群冷たき窓に星描きて
冬の傾斜
M コスモ
- くれなゐの枝を綿虫忘れをり
- 寒菊や火焔のかけら目覚めたり
- 金管や冬の傾斜を上る指
- 空つぽの鳥籠ならべ冬夕焼け
- 文豪のペンのはたてに虎落笛
同人とは?
炎環の同人は、一般会員の中から、石寒太主宰がその実力を認めて推挙した作家たちです。同人になるとは作家として独り立ちすることを意味し、したがって同人の作品は、主宰の選(順位づけ)や添削の対象から外れます。同人は、自らの力だけを頼みに毎月5句を発表しています。
このページでは、同人の中から6人ずつを順繰りにピックアップし、その当月発表した作品を紹介します。(一般会員についてはこちら)