ピックアップ同人句 同人とは?
2022年6月
花曇
丹間 美智子
- 花曇壺の黒糖突きくづす
- 弓道部駅に集合桜東風
- 野火走る飛べないものを追ひつめて
- 春炬燵遠き戦の正面に
- テレビ消し戦線離脱夕朧
目借時
森戸 柚斎
- 鎌倉の小さき踏切木瓜の花
- しぐれ煮の茶漬かつこむ花曇
- 絆創膏剝がし忘れし目借時
- 円空仏の深き微笑み春深し
- 旧き家の郵便受けや夏隣
雪間草
結城 節子
- 雪間草戦火の街のコンサート
- 朧夜の明るすぎたるランドリー
- ブレーキをかけぬ坂道芽吹き風
- 島一周のレンタサイクル風光る
- 巣のなかの抱かれぬ卵涅槃西風
食堂
万木 一幹
- シールドの並ぶ食堂浅蜊飯
- 新刊のごとき古本春の風
- 包まれて生死のあはひ糸桜
- 引用のメール途切れず花ミモザ
- 春灯回覧板に十戸の印
四月
西村 円
- さくら見てまたさくら見て下りる坂
- 再検査通知届きし春の空
- 薬また増えて四月を迎へをり
- スニーカーのずらりと並ぶ春の色
- 風光るガラス張りなる新校舎
かぎの道
永井 朝女
- 花ふぶき江戸の名残のかぎの道
- 初燕緑地の暗渠響きけり
- 仲間呼ぶ尾長の群れや緑さす
- 出迎への石屋のタヌキ春の雲
- かぎの道の「徳川古文書」桜東風
同人とは?
炎環の同人は、一般会員の中から、石寒太主宰がその実力を認めて推挙した作家たちです。同人になるとは作家として独り立ちすることを意味し、したがって同人の作品は、主宰の選(順位づけ)や添削の対象から外れます。同人は、自らの力だけを頼みに毎月5句を発表しています。
このページでは、同人の中から6人ずつを順繰りにピックアップし、その当月発表した作品を紹介します。(一般会員についてはこちら)