ピックアップ同人句 同人とは?
2024年1月
去々来々171
市ノ瀬 遥
- 喪帰りのざわざわ来たり菊日和
- 青レモン神父の軽き会釈かな
- 出征の兜太の話茶立虫
- ふところに少し銭あり神の留守
- いつの間に杖をたよりの小春かな
坂本龍一8
中嶋 憲武
- しとみどの茶室のほかは猿と雪
- 話し声の雨音向日葵だけが鋼
- 人中のふかく大尉のものいふ冬
- 六時のニュースに血の遅日の地かなり金なる
- 木槌うつるするするしぐるるんだけど僧正
菊日和
中島 登美子
- 草書体の判読難し菊日和
- 挿みあるレシート幽か豊の秋
- 子沢山のエンゲル係数豊の秋
- 踝のまぶしき乙女野紺菊
- 秋うらら鴨居に三つ表彰状
熱海坂
天野 幸光
- 初時雨込み入る坂の熱海かな
- 小春日の魚網繕ふ翁かな
- 山茶花の雨より先に崩れけり
- 水底に彩重ねをり散紅葉
- 復刻の『あるき神』読む秋灯
旅支度
寺田 百合子
- 龍の玉老いて素直になりにけり
- 姉様の耳は観音枇杷の花
- 磐座や姨捨山の月を浴ぶ
- 暮早し句友励まし励まされ
- 秋の夜杖一本の旅支度
密輸船
小野 久雄
- 明方の夢の続きか鷹渡る
- 焼栗に鉄の匂ひや北京の夜
- 病院に死に損ねたり石蕗の花
- 鳥渡るビル屋上の赤鳥居
- 茶の花やひそり沖ゆく密輸船
同人とは?
炎環の同人は、一般会員の中から、石寒太主宰がその実力を認めて推挙した作家たちです。同人になるとは作家として独り立ちすることを意味し、したがって同人の作品は、主宰の選(順位づけ)や添削の対象から外れます。同人は、自らの力だけを頼みに毎月5句を発表しています。
このページでは、同人の中から6人ずつを順繰りにピックアップし、その当月発表した作品を紹介します。(一般会員についてはこちら)