ピックアップ同人句 同人とは?
2024年4月
春の星
こがわ けんじ
- 読初の「芭蕉の山河」青カバー
- 杭のごと墓標のひとつ冬の虹
- 学徒兵の死の先見つむ春の星
- 星冴ゆる助動詞「たし」の活用形
- 春の野や風の味問ふ幼の瞳
似る
壬生 きりん
- 寒雀の一羽厨へ近づけり
- 夫に似し狛犬の歯よ二月来る
- ふはりふはり二月の空の大鴉
- クロッカスしろといふ名の犬に会ふ
- 立春や猫ゐてねこへ声かけし
夕東風
秋山 裕美
- 日曜の朝礼台や風光る
- 春一番脳科学者のハイヒール
- 春の雪夫とは猫の話のみ
- 夕東風や星のかたちの花を摘み
- 朧月好きな人またひとり増ゆ
刻〈63〉
辺見 みち代
- 我先の園児の話息白し
- 父の忌の鯛焼一匹供へけり
- 初御空もうすぐ姉となる子かな
- またその話三回目なりお正月
- 母のよに菜を刻むうた七日粥
日向ぼこ
峰村 浅葱
- 二ン月のパンダまろぶこと覚え
- 春節の塊中国旅行団
- 日向ぼこ友に十勝の甘納豆
- 春風の絵の具に迷ふ写生会
- 春風やこの身一つに耳二つ
淡雪
鮫島 沙女
- 楸邨の墨蹟淡しホットティー
- 人日や宛先不明の赤き印
- 大寒や片目のままの赤達磨
- パラフィン紙の誰かの指紋春の雪
- 淡雪の覆ふ地割れよ「Quo Vadis」
同人とは?
炎環の同人は、一般会員の中から、石寒太主宰がその実力を認めて推挙した作家たちです。同人になるとは作家として独り立ちすることを意味し、したがって同人の作品は、主宰の選(順位づけ)や添削の対象から外れます。同人は、自らの力だけを頼みに毎月5句を発表しています。
このページでは、同人の中から6人ずつを順繰りにピックアップし、その当月発表した作品を紹介します。(一般会員についてはこちら)