ピックアップ同人句 同人とは?
2024年7月
春日差
丹間 美智子
- 春日差まるつと鳩をラッピング
- どこからも支柱の見えて花盛り
- うららけし讃美歌五番まで歌ふ
- チマチョゴリ一族挙る花筵
- トンネルの切れ目切れ目の春の海
日当り
大原 貴彦
- 踏み出せる一歩のことばさくらの夜
- 日当りの大黒天や花楓
- 躑躅躑躅街の躑躅燃ゆ孤獨
- ぶらんこの鉄の鎖のそよぎけり
- 凡人に幸よ白詰草の白
横浜
横山 惠子
- 春夕焼最上階より富士の山
- 横浜の街を見下ろす春の夜
- 春の雨赤き倉庫の煉瓦かな
- 濡れてゐし白き帆船春の午後
- ピッチャーの雄叫びひとつ春の空
疼く
神戸 優子
- 白檀の匂ふ小函やおぼろ月
- 春雲のあれはB さんこれA さん
- こめかみの疼く朝や黄砂くる
- 砂山のひとつ残してこどもの日
- オセロゲームの一気に白へ薄暑かな
うらら日記
山本 うらら
- 和清の天ハンディ歳時記第7 刷
- 半分だけ許す喧嘩や柏餅
- 「地獄の釡の蓋」プレート前の人集り
- 薔薇一重よろこび色に風の中
- 平凡な赤で形よ薔薇「うらら」
母の日
小林 根菜
- 母の日の八十になる妻の顔
- 洗濯屋の大布袋立夏かな
- 犬亡くて辿る道筋花大根
- 夏めくや原宿駅を出たところ
- 紙風船尻を叩かれ膨れをり
同人とは?
炎環の同人は、一般会員の中から、石寒太主宰がその実力を認めて推挙した作家たちです。同人になるとは作家として独り立ちすることを意味し、したがって同人の作品は、主宰の選(順位づけ)や添削の対象から外れます。同人は、自らの力だけを頼みに毎月5句を発表しています。
このページでは、同人の中から6人ずつを順繰りにピックアップし、その当月発表した作品を紹介します。(一般会員についてはこちら)