ピックアップ同人句 同人とは?
2024年8月
いつよりの
一ノ木 文子
- 卯の花腐しひらがなひとつふえしメモ
- 豊満なゴリラの尻よ走り梅雨
- いつよりの目つむる癖や椎の花
- 草茂る外国人墓地日の斑
- 子の部屋の般若の面や夏の月
梅雨の月
鈴木 友寄枝
- 診察の夫に付き添ふ半夏雨
- 薄暑かな採血の袖めくられし
- 店前のワゴン出揃ふ梅雨晴間
- 廃校の開かずの門扉額の花
- まなうらに浮かぶ温顔梅雨の月
インクルージョン(百八十五)
伊与田 すみ
- 泥つき辣韮旅のあいまの水洗い
- 夏鶯織姫ふたり糸紡ぐ
- 未草放っておくのも親切よ
- 山滴る陶芸小屋にシュトックハウゼン
- 山野草の一本の鉢ヒメサユリ
あとずさり
万木 一幹
- ひとすぢの薫風生れり入水池
- 青あらし走り根またぐ地の鴉
- 田植唄横一線のあとずさり
- 山笑ふ認知テストのパターンB
- 予防線張りつつ応へ冷さうめん
薔薇の園
香西 さらら
- 高架橋のクレーン八つ風薫る
- どろんこの体験学習若葉風
- 全身へ海よりの風聖五月
- 薔薇の園ちひさきものにちさき風
- 六月の風六月のふらここよ
夏来る
寺田 百合子
- 真夜中のバイク爆音夏来る
- 山笑ふ鑿跡浅し閻魔像
- とほりすぐ風のささやき夏座敷
- 残りたる目口くつきり蛇の衣
- 恐れ観る双眼玉姿蛇の殻
同人とは?
炎環の同人は、一般会員の中から、石寒太主宰がその実力を認めて推挙した作家たちです。同人になるとは作家として独り立ちすることを意味し、したがって同人の作品は、主宰の選(順位づけ)や添削の対象から外れます。同人は、自らの力だけを頼みに毎月5句を発表しています。
このページでは、同人の中から6人ずつを順繰りにピックアップし、その当月発表した作品を紹介します。(一般会員についてはこちら)