ピックアップ同人句 同人とは?
2024年10月
風の六斗 六―八
保屋野 浩
- 伊勢丹のダイヤモンドの夏の果
- 一粒が万倍の風天の川
- 仏壇に新札供ふ魂むかへ
- 炎昼やぼうつと見えてゐる緋鯉
- たらちねの母の色香の桃だろか
竹林
三角 千榮子
- 石楠花のなほ葉ごもりの蕾かな
- 新樹雨河童の像へをしみなし
- 校庭のタイヤの遊具もちのはな
- 竹林の葉ずれ涼しき音したり
- 蛇の髯の花や傾く無縁仏
かつぶしの音
金原亭 馬生
- 古本に花の押しあと茅舎の忌
- 風吹けば武蔵野台地月見草
- 助郷の馬の碑梅雨暑し
- とりあへず枝豆くるよ笑まひつつ
- 握手して終はる句会や夏の月
大きな家
武知 眞美
- 犀眠りゐるだぶだぶの日ざかりを
- 点々と影を置きゆく夏の蝶
- 群れなして四万六千日の鳩
- 蒲の穂を大きく活けて大きな家
- 子規句碑の影の定まる秋隣
盆踊り
高橋 透水
- 出番待ち黄ばむ稚児や炎天下
- 稚児の載る祭太鼓の破調よし
- 盆踊慣れぬ手足もヨイサッサ
- 踊り手のイケメンからの投げキッス
- 盆踊トリは東京音頭かな
落蟬
濵野 美芽
- 花柄の日傘くるくる廻りをり
- 助手席の窓に暫しの木下闇
- 一杯の白湯に喉鳴る夜の秋
- 踏みしめし土に生あり今朝の蟬
- 落蟬を猫のゆるゆる過ぎにけり
同人とは?
炎環の同人は、一般会員の中から、石寒太主宰がその実力を認めて推挙した作家たちです。同人になるとは作家として独り立ちすることを意味し、したがって同人の作品は、主宰の選(順位づけ)や添削の対象から外れます。同人は、自らの力だけを頼みに毎月5句を発表しています。
このページでは、同人の中から6人ずつを順繰りにピックアップし、その当月発表した作品を紹介します。(一般会員についてはこちら)