ピックアップ同人句 同人とは?
2024年12月
秋ぞ
稲見 寛子
- 音もなく逝きけり音の無き秋ぞ
- 満月下ひとりの窓を閉ぢにけり
- М R I 出でかまつかの眼に痛し
- 刈田道やさしき風の通りけり
- 吹き飛びし鳥の形の枯葉かな
祖父からは
新井 青葉
- 下校の子稲の大波越えてゆく
- ひとつ見て三つ四つと増ゆ赤とんぼ
- 祖父めがけ直球本気秋の空
- 祖父からは山なりボール秋高し
- 高速道パーキングにて今日の月
蟄虫戸を坏ぐ
たむら 葉
- 対馬丸の海よはるかなる銀河
- 交差点の巨大画像よ秋暑し
- 名月や句会合間のハーモニカ
- おしろいや週末のみの駄菓子屋さん
- 電池切れの地球儀蟄虫戸を坏ぐ
コスモス
鈴木 まんぼう
- コスモスや反論前の一呼吸
- コスモスや優しきふりの噓いくつ
- 鬼城忌の太き雨ふり上州路
- 秋立つや風の抜け道猫の径
- みそぎかな降水帯連れ台風来
ゴミ出し
村内 徒歩
- 後ろ手の賢治の秋思夜の森
- 車椅子の子と仰ぎたり小望月
- B シャープ弾くバラッド十六夜
- ゴミ出しの出来ぬ母をり今日の月
- 秋天や中折帽の翅飾り
秋うらら
宮園 こすも
- 先んじる風のためらひ藤袴
- 流木のオブジェの軽さ秋うらら
- 秋真昼ビルのはざまのねぢりパン
- 有明月合鍵既に古びをり
- 雁や火星に海のありし頃
同人とは?
炎環の同人は、一般会員の中から、石寒太主宰がその実力を認めて推挙した作家たちです。同人になるとは作家として独り立ちすることを意味し、したがって同人の作品は、主宰の選(順位づけ)や添削の対象から外れます。同人は、自らの力だけを頼みに毎月5句を発表しています。
このページでは、同人の中から6人ずつを順繰りにピックアップし、その当月発表した作品を紹介します。(一般会員についてはこちら)