ピックアップ同人句 同人とは?
2025年3月
取り皿
萩尾 亜矢子
- 手本より映える仕上がり節料理
- 取り皿の小振りになりしお節かな
- すずなすずしろ投句日の前倒し
- はやり歌のなべて早口関東煮
- 痛む歯を霜夜の舌の触れたがり
寒雲
山高 真木子
- 藪柑子挿すや硝子に映る部屋
- 帰り花夢の中まで理屈つぽい
- 羽ばたきや花心灯して寒椿
- サイレンの遠し柚子湯の膝頭
- 不条理にかたちのありぬ冬の波
ふたご座流星群
長谷川 いづみ
- 流れ星待つ焙煎のキッチンカー
- 五十分前のひかりよ土星の輪
- 牡牛座の眼の赤し冬の星
- 四人して七つやふたご座流星群
- 吟行の仲間待たせて葱買へり
春隣
高山 桂月
- 道連れになり易き人おでん酒
- 見習ひの残りふた月春隣
- 真冬日の断面清き新香かな
- 茶の花や上手に叱る師範代
- 国東の笑ふ仁王や日脚伸ぶ
冬薔薇
河野 幸子
- 生還の暮るる一年日記買ふ
- はまなすの実ひとつ真つ赤隠岐神社
- アルバムのバーツの紙幣大旦
- 城ヶ島の越冬姫鵜群れ千羽
- グラバー邸の竜馬の像や冬薔薇
着ぶくれて
榊 はたはた
- 真つすぐに着ぶくれしけふ発表会
- カフェラテのあはあは冬の蠅おぼれ
- 里神楽鈴の音しやりんしやりん闇
- どの顔も知らぬ顔なりどんど焼
- 新雪やゴジラヨコノ星ヲ潰セ
同人とは?
炎環の同人は、一般会員の中から、石寒太主宰がその実力を認めて推挙した作家たちです。同人になるとは作家として独り立ちすることを意味し、したがって同人の作品は、主宰の選(順位づけ)や添削の対象から外れます。同人は、自らの力だけを頼みに毎月5句を発表しています。
このページでは、同人の中から6人ずつを順繰りにピックアップし、その当月発表した作品を紹介します。(一般会員についてはこちら)