2020年1月
ほむら通信は俳句界における炎環人の活躍をご紹介するコーナーです。
炎環の炎
- 総合誌「俳句界」(文學の森)1月号の「新作巻頭3句」に増田守が、〈眠り継ぐ原子炉群の寒さかな〉など3句を発表。
- 「第十回一茶双樹俳句交流大会」(流山市、11月24日)が応募総数約10,000句から、最優秀賞1句、優秀賞5句、入選20句、特別賞1句を表彰。各賞の選者は俳人協会評議員(藍生・天為所属)で東洋大学名誉教授の坂本宮尾氏。
◎「最優秀賞」〈運河より江戸川に入る花筏 荒井久雄〉 - 総合誌「俳句」(角川文化振興財団)1月号「令和俳壇」
・星野高士選「推薦」〈東京を静かと思ふ虫の秋 阿部胤友〉=〈いろいろな地名があるが東京はなかなか出てこない場所。しかし東京と言われると日本へとつながるくらい大きな地名。虫の鳴く秋はさすがの東京も静かと思ったと言う大きな詠み方と捉え方をしたのが斬新であった〉と選評。
・嶋田麻紀選「秀逸」〈呼込みの声に張りある良夜かな 小野久雄〉 - 総合誌「俳句界」(文學の森)1月号「投稿俳句界」
・高橋将夫選(題「葉」)「秀作」〈落葉や歴女いさまし関ヶ原 高橋透水〉
・今瀬剛一選「秀逸」〈砂浜の風音ばかり鰯雲 山内奈保美〉
・今瀬剛一選「秀逸」〈引き直すスタートライン神の旅 曽根新五郎〉
・櫂未知子選「秀逸」〈しばらくは喪服のままの秋思かな 曽根新五郎〉 - 東京新聞12月29日「東京俳壇」
・石田郷子選〈スーパーにカートのカオス寒波急 片岡宏文〉 - 朝日新聞12月29日「朝日俳壇」
・高山れおな選〈ツイッター・LINE・インスタ近松忌 渡邉隆〉=〈近松劇もSNSも、人が人を求める心の産物だ〉と選評。 - 東京新聞1月12日「東京俳壇」
・小澤實選〈寒の水垂らして家猫に飲ます 片岡宏文〉 - 総合誌「俳句四季」(東京四季出版)1月号の「一月の名句」において近恵が、《寒晴やあはれ舞妓の背の高き 飯島晴子》《毟りたる一羽の羽毛寒月下 橋本多佳子》《海しずかヌードのように火事の立つ こしのゆみこ》《元日の開くと灯る冷蔵庫 池田澄子》《岩の雪とばす汐風や初日の出 村山たか女》《七福神ひしやげ浅草人形焼 小林苑を》《絵屏風の隅に描かれて芹その他 宇多喜代子》《抜け道は群衆のなか冬あたたか 渋川京子》の8句を選びそれぞれ鑑賞。《絵屏風の》の句に対しては〈豪奢なものを思いがちな絵屏風だが、この屏風の隅に描かれた絵は「芹その他」。地味である。そしてこの「その他」とは何かが問題なのだ。省略されても想像できるものとすれば春の七草ではないか。であれば、「芹その他」と大胆に省略をしたが、それは読み取ってくれるであろうという読者への信頼の上に成立つ一句である〉と記述。